乳児血管腫‐いちご状血管腫保険適応
いちご状血管腫の症状
乳児血管腫(苺状血管腫)は未熟な毛細血管が増殖してできる赤アザです。生まれつきのあざではなく、赤ちゃんや乳幼児の生後数週以内に湿疹のような状態で現れ、表面がイチゴ状になり急速に範囲が広がったり盛り上がりを呈するようになります。体の表面、どこにでもできる赤あざです。局面型、腫瘤型、皮下型の3タイプに分類されます。乳幼児の1~2歳、特に3~7カ月頃までは急速増大します(増大期)。その後大きさが変わらない停滞期を経て小さくなる消退期を迎えます。5歳くらいの子供までに 50%、7歳くらいまでに75%が消失するために以前は治療をしない、経過観察が当たり前でしたが、急激に腫瘤が増大すればぶよぶよとした皮膚が残存したり、赤みや醜形といった皮膚障害をきたすために現在は色素レーザー治療が保険適応となりました。
いちご状血管腫の治療方法
最新型色素レーザーVビームⅡ
私は福岡大学病院で多くの乳児血管腫の患者さんの赤ちゃん・乳幼児・子どもの治療を行ってきました。レーザー治療をせずに経過をみる、というのも治療選択肢の一つです。しかし、表面型の乳児血管腫は早くからレーザー治療を始めるほうが治療回数も少なく、皮膚障害もほとんど残らず結果もとても良いです。赤アザ用の最新機種のVビームⅡを使って治療を行います。色素レーザーは血管を流れる赤血球の中の赤色(酸化ヘモグロビン)に選択的に吸収されることで赤血球を壊し、血管を徐々に閉塞させていくという治療です。レーザー照射は基本的に3カ月に1回行いますが増大速度が速い場合は1~2カ月ごとのレーザー照射を行います。増殖期の間は毛細血管の増殖とレーザーで血管を閉塞させていくことの綱引き状態になります。眼瞼や口周り、鼻部など機能障害をきたしそうな部位かつ増殖スピードが速い場合、または皮下型かつ増殖スピードが速い場合は皮膚外表面からのレーザー照射のみでは追いつかないのでステロイド注射や、最新治療であるプロプラノロール(βブロッカー)内服治療を優先させることもあります。(福岡大学ではプロプラノロール治療の治験担当でした)
また、乳児血管腫退縮後の赤みの残存に対しても色素レーザーは効果があります。
乳児血管腫の色素レーザー治療は保険適応です。
いちご状血管腫治療の症例写真
- 施術前
- 施術後
写真はCandela社より提供
いちご状血管腫の治療の流れ
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増大速度が速い場合は1~2カ月ごとのレーザー照射を行います。
増殖期の間は毛細血管の増殖とレーザーで血管を閉塞させていくことの綱引き状態になります。 -
停滞期・消退期は、「いかに血管種の赤色を残さないか」という治療になりますので 治療間隔は3カ月に1回行います。
小さいころにレーザー治療を行えずに血管種の赤みが残ってしまった患者様にも有効な治療手段です。
※色素レーザーの性能が良くなり(当院では最新機種のVビームⅡも導入しています)、
広範囲であっても痛みが少なく(麻酔クリームや麻酔テープを併用することもあります)、短時間で治療が行えるようになってきました。
※眼瞼や口周り、鼻部など機能障害をきたしそうな部位かつ増殖スピードが速い場合、または皮下型かつ増殖スピードが速い場合は皮膚外表面からのレーザー照射のみでは追いつかないのでプロプラノロール(βブロッカー)内服治療を優先させることもあります。
副作用・注意点について
- レーザーの合併症で紫斑、色素脱失、色素沈着、瘢痕形成などを生じる可能性もゼロではありません。
治療後の軟膏治療、紫外線ケア等については医師の指示に従ってください。
いちご状血管腫の治療費用の目安
面積 | 10c㎡まで | 20c㎡まで | 30c㎡まで | 40c㎡まで |
費用 | 21,700円 | 26,700円 | 31,700円 | 36,700円 |
※実際に窓口でお支払い頂く金額は保険種別により上記金額の0~3割になります。
※上記費用の他に初・再診料、処方箋料等の基本の保健理療費が必要になります。
いちご状血管腫に関してよくいただくご質問をまとめました。
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レーザー治療は痛いですか?
当院では最新機種であるVビームⅡを使って治療を行います。
冷たい空気を当てて表皮を保護しながらレーザー照射を行うので痛みはほとんどなく治療が可能です。 -
時間はどのくらいかかりますか?
大きさにもよりますが、数分の治療です。
赤アザ、青あざ、茶あざのレーザー治療は保険適応です。(一部保険適応外)
あざ治療に使用するレーザー治療機器をご紹介いたします。
あざ治療に関するよくいただくご質問をまとめました。
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